鎌倉大仏の洗浄と調査

 1994年8月3日早朝、鎌倉大仏の上空にはヘリコプターが飛び、多くのマスコミ関係者が詰めかけていました。午前6時、加藤建設の熟練鳶が大仏の頭上からホースで水を撒き、その調査は始まりました。
ここ数年、大仏の首のつけ根や胸部に腐食や錆が目立ち、痛ましく映っていました。この調査は酸性雨などの環境汚染物が大仏にどのような影響を与えているかを解明するものです。文化庁や東京国立文化財研究所などが中心になって1993年から行われ、民間からは住友金属工業(株)や加藤建設など数社が参加。
その年の調査は大仏表面や内側30個所から試料となる錆の採取を行いました。 そして1994年、大仏に水をかけ、その流れ具合、乾きかたなどをビデオに収めコンピューター解析にかけるという、大がかりな調査となったのです。
加藤建設は遺跡発掘の仕事が都市再開発事業の基層を担っていることをよく知っています。大仏の調査参加は社をあげてのボランティア。裏方としてのお手伝いですが、こうした調査に積極的に加わることで自分たちの知識を高め、それが遺跡発掘の仕事にフィードバックされることを願っているのです。

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青木繁夫(東京文化財研究所修復技術部部長)