現代社会における心の埋蔵文化財

words by 鬼の副主任

 その昔、松下幸之助さんが「松下電器は人をつくるところです。あわせて電気器具をつくっております。こうお答えしなさい」と従業員に言い伝えていたと訊いたことがある。 わが社ではどうであろうか・・・ 更に話は飛躍し、現在の日本社会における人間形成のあり方はどうであろうか? この問に対する皆さんのお考えは様々でしょう。だが、その導きたる回答の大多数が、負の方向に向けられている事を想像するのは易い事である。

 簡単なことである。

日本には宗教教育が存在しない。ゆえに道徳教育が行き届かないのだ。 それは家庭におけるしつけも同様にて、親が持つ自己の常識に委ねられるわけだ。 すべてではないが、代が重なる毎に、倫理観が稀薄となる過程にある。

 この現状を打開する方法はないのだろうか・・・

誠に僭越ながら、現代社会における武士道再考が、そのもっとも近道なのだと声を大にして言いたい。 それは学校教育にて、武道(柔道・剣道・相撲)、ダンス等の教科を実習させることのみで培われるものでは到底ないと私は考える。

 日本には、新渡戸稲造先生(旧五千円札肖像画)が記した「BUSHIDO The Soul of Japan」いわゆる「武士道」の和訳が何冊も存在するではないか。 先ずは、この「武士道」を皆さんにも一読して頂きたい。 私が云々述べるより、はるかにその利便性をご理解して頂けることであろう。

 武士道は、特権階級である武士の道徳律として生まれた。時代の変遷とともに、今の日本の舵取りを行っている者たちの行いはどうであろうか・・・その多くが、国の行く末より、目先の利己主義に走っているようにしか映らない。そんな堕落した精神が、他にも波及影響するわけだ。そんな大人たちを子供たちが尊敬できる道理があるはずがない。

 有形の埋蔵文化財を調査し記録する弊社ではあるが、無形なる精神をも掘り起こし、広く皆さまに行き渡る喜びに勝るものはありません。