安全衛生委員会について-3
安全啓発のための基準
安全基準
弊社では安全に発掘調査を行う為の様々な基準が設けられています。
これらは安全パトロールの点検項目にもなっており
安全衛生委員会は日々この基準の啓発に励んでいます。
今回は具体例として
[ 地下室の調査(深さ1.5mを超えるもの、天井付のもの)の安全基準] を紹介します。
開口部に転落する恐れがある。また、遺構内に物が落下する恐れがある。
開口部周囲に囲いを設置し関係者以外の立ち入りを禁止する。
掘削道具・遺物等を遺構の上端に置かない。
上下作業はしない。
天井が崩落する恐れがある。
遺構掘削前にクラックが認められたら周囲に立ち入り禁止処置をする。
天井部を残したまま中の遺構調査を行わない。
酸欠になる恐れがある。(天井付きで中が空洞の場合を想定)
天井部を先に除去する。
送風機等で風を送り風通しを良くする。
遺構の覆土が崩落する恐れがある。
半裁した覆土や、土層断面に乗らない。
深いもの(1.5m以上)は上部と下部の二段階に分けて調査する。
覆土の状態によっては更に細分化する。
遺構の外に監視員を配置する。
遺構への昇降時、梯子の足が滑り転倒する恐れがある。
靴裏の土を落とす。
昇降時は必ず誰かに支えてもらう。
脚立の下に土嚢等を置いて安定させる。
ヒヤリハット
ヒヤリハットとは、業務中に「ヒヤリとした」「ハッとした」危険な事態が発生したものの
幸い大きな事故には至らなかった事象のことです。
これらを可視化することによって大きな事故を防ぐことができます。
弊社では安全衛生委員会がこれらの事例を従業員から募集し定期的にまとめて啓発運動をしています。
その一部を紹介します。
事例1
作業で調査区内を移動中小穴に足を取られ転びそうになり、ハッとしました。
41歳 現場代理人
安全衛生委員会の回答
作業動線上の小穴等は、土嚢・コンパネで養生して通路を確保するんだゾ!
事例2
作業中、知らずに張り出している所に行ってしまい、後にそのことを知りゾっとした。
46歳 調査員
安全衛生委員会の回答
張り出している箇所は、記録作業終了後速やかに撤去するようにするんだゾ。
注意看板・区画を設置することを忘れずに!
事例3
重機の横を通り残土山へ土を捨てていました。
重機が不意に旋回していたらと考えるとヒヤッとした。
作業員
安全衛生委員会の回答
重機の作業範囲に入る時は
オペレーターに合図して停止したのを
確認してから入るの~!
委員会の意義
工事現場では、何よりも安全であることが重要です。
作業に携わっている人は事故を起こしたくないですし、もちろんケガもしたくありません。
それでも残念ながら事故は起きてしまいます。
皆さんも工事現場で起きた痛ましいニュースを見たことがあると思います。
発掘調査の現場でも例外ではありません。
残念ながら、発掘調査中の事故によって死傷者が発生した事例もあります。
安全というのは一度気をつければ効果が持続するといったものではありません。
日々の取り組みによって維持し続けなければなりません。
弊社では各現場担当者が先頭に立ち、事故が無いよう調査の手順・方法を検討し、
安全に調査を進め、事故が無いよう日々努力しています。
